iphoneのライトを指に当てて半影を理解⁉︎ さらにパノラマの不鮮明も!



「半影に関する問題は解けるけど、だからなんだろう・・・。」
「模式図にされたら理解できるけど、そもそも実感がわかない」

この記事は、そんな方に向けて書いています。

今回は、スマートフォンなど身近なものを使って半影を説明したいと思います。また、半影の理解から鮮鋭度、パノラマエックス線画像についてもご紹介します。

頭への詰め込みを少しでも減らせればと思います!

半影とは・・・。

そもそも、半影とは広がりをもつ光で出来る物体の影のうち、本影の外側の薄明るい部分のことをいいます。

と、言葉で書いてもイメージがつかないので、実際に半影を作ってみたいと思います。用意するのはiphoneだけ。iphoneがなければ懐中電灯でも大丈夫です。

 

というわけで、はい、ドン!

 

 

 

こんな感じで部屋を暗くして、iphoneのライトを使って指を照らすと影と半影が出来上がります。本影の周りにモヤモヤしてみえるのが半影となります。

そして、このモヤモヤしたものが影をボヤかします!その半影を模式図で書くとみなさんもおなじみの下の図になります。

  

もう、お分かりかと思いますが、エックス線画像でも同じ考え方です。iphoneの光がエックス線に変わります。

 

 

どうでしょうか?普段、図に書いてある半影を実感していただけたでしょうか。半影とは要するに「像」のまわりにある画像をボヤかすものと思ってもらえればいいかと思います。

それでは、次はそのモヤモヤした半影を減らすにどうすればよいかを説明していきたいと思います。

半影を減らすには!?

半影を減らすにはどうするか。

それは、焦点・被写体間距離を大きくすることです。これも実演した方が早いので、さっそくiphoneのライトを使って半影の変化をみてみたいと思います。

 

というわけで、はい、ドン!

 

左の写真は、影が拡大されていますが、半影がよくみえ全体的に影はぼやけています。(光源に指を近づけてます)

一方で、右の写真は影が小さくなりましたが、半影はみづらく、影はキリッとシャープにみえます。(光源から指を遠ざけています)

これが、いわゆる焦点・被写体間距離の変化で半影が小さくなったり大きくなったりという話です。

右の写真は、エックス線画像に置き換えれば、焦点・被写体間距離が大きい状態で、半影も小さいことがわかります。

そして、このように画像がくっきり、はっきりみえる程度を鮮鋭度といい、半影が小さくなることで鮮鋭度が上昇します

他にも鮮鋭度をあげるためには、焦点を小さくしたり、フィルムの粒状性を高くしたりなどありますが、それはまた別の機会にゆずりたいと思います。

そして、ここから小さな原理をもとに、パノラマエックス線画像の不鮮明さに関する内容を理解していきたいと思います。

小さくなったパノラマエックス線画像!?

それではいきなりなんですが、この問題は解けるでしょうか?

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パノラマエックス線写真(別冊No.10)を別に示す。

前歯部の像が不鮮明となった原因はどれか。
a 開口位で撮影した。
b 撮影中に患者が動いた。
c 頭部を上向きに位置付けた。
d 顎骨を左右非対称性に位置付けた。
e 歯列を断層域よりも前方に位置付けた。



解答はEになります!

画像から下顎前歯部が他の部位よりも狭く小さく、ぐちゃっとなっていることがわかります。(下顎側切歯の根尖の位置がぐちゃぐちゃです。叢生でもこうはならないのではないでしょうか。)

そうです!画像が他の部位よりも小さくなっているということです。

解答は断層域よりも前方にと書いてありますが、いいかえればそれはフイルムに歯列が近づいたということです。焦点・被写体間距離が大きくなったといってもいいかもしれません。

これは、もしも右側の下顎骨が大きくなったとか、小さくなったと議論になっても同じです。

断層域なんかと絡めて話されると難しく感じますが、原理はシンプルです。

光源(焦点)に近づけば影(フイルム画像)は大きくなるし、遠ざかれば小さくなるというだけです。

まとめ

半影とは、像の周りにあるボヤっとしたもので、焦点と被写体間の距離をかえることで小さくすることができます。また、半影を小さくすることは、画像がはっきりとみえるということです。

 

いかがだったでしょうか。シンプルな原理を利用して、難しいことを噛み砕いてみる。

少しは楽になっていただければ幸いです。

パノラマエックス線に関しては単発で別の機会に触れたいと思います。



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