【部分床義歯学】大連結子:下顎大連結子 〜リンガルバー・リンガルプレートなど 〜

下顎大連結子

下顎の場合は大連結子に粘膜支持を期待することができません。また、下顎ほどの多様性も少ないです。

リンガルバー

舌側歯槽堤粘膜上を横走するバー。

バーの幅は通常4〜5mm、厚さ2〜2.5mmで、上縁は歯肉炎から少なくとも3mm以上は離します。つまり、口腔底から歯肉縁までの距離が7mm以上ということです。(幅4mm+歯肉縁から3mm 以上離す)

歯や歯肉と接触しないため、清掃性や自浄作用を妨げないという点が優れています。なので、抜歯となる残存歯がない症例などではまずリンガルバーから選ぶことも。

しかし、バーが厚くなるため舌感がやや悪いことが欠点です。

リンガルプレート

舌側歯槽堤粘膜から残存歯舌面までを、広く覆って走行する大連結子。

リンガルバーに比べて、義歯の維持や安定、舌感に優れています。しかし、辺縁歯肉を覆ってしまうため、歯肉の炎症や齲蝕の原因に多々あることも。

適応症は、口腔底が浅く、著しい下顎隆起があるなどの理由からリンガルバーが適応できない症例に用いられます。他にも、近い将来、人工歯の追加修理が必要と予測されるなど。

ケネディーバー

連続鉤の一つ。鉤腕が下顎前歯の舌面基底結節上を波状に走行するバーです。基本的には、強度の不足が目立つため、リンガルバーと組み合わせて用いられます。

舌側歯頚部が開放されます。しかし、リンガルプレートより辺縁歯肉への為害性は少ないですが、舌感は悪いです。

つまり、支持・把持を向上させ、歯肉から離し衛生的な設計をしたい症例適応。

外側(ラビアル)バー

唇側を走行する大連結子。残存歯の舌側傾斜が著しい場合や舌側歯槽堤に大きなアンダーカットや下顎隆起がある場合などに用いられます。

欠点としては、食物残渣が貯留しやすいです。