【成長発育】頭蓋冠の発育 〜 大泉門・小泉門の閉鎖時期など 〜

頭蓋冠の発育で大事なのは、骨の成長様式泉門の閉鎖時期

骨の成長様式は公開模試や口頭試問、卒業試験対策として重要です。泉門の閉鎖時期は問題としても作りやすいため、定番中の定番。

とはいえ、内容はあまり深くないので、3分ぐらいであっさりと進みたいところです。

頭蓋冠の成長機構

頭蓋冠の骨成長様式

頭蓋冠の骨成長様式

頭蓋冠に関わる骨の成長様式は骨膜性骨成長縫合性骨成長

縫合部での骨成長と頭蓋冠表面骨添加内面での骨吸収によって全体の大きさが増していきます。

頭蓋冠の成長は脳の成長や頭蓋内部の圧によって影響を受けることも。そのため、Scammonの発育曲線でいうところの神経型のタイプといっても過言ではありません。

泉門:大泉門・小泉門・前側頭泉門・後側頭泉門

泉門の閉鎖時期

泉門の閉鎖時期

新生児では骨と骨の縫合の交わる部分がまだ骨化していません。

骨化していない部分は結合組織で埋められ、特に泉門と呼ばれています。

泉門の閉鎖時期

頭頂骨の前方には大泉門、後方には小泉門。小泉門は生後まもなく,大泉門は1歳6か月ころまでに閉鎖します。

臨床的には大泉門を触診し、緊張をみることが重要。膨張している場合は、髄膜炎や脳腫瘍を疑います。

解剖と臨床の泉門閉鎖時期の違い
各泉門の閉鎖時期は解剖学と臨床で少し異なります。触診で判断している臨床的な閉鎖時期の方が,解剖学的な閉鎖時期よりも早いです。ちなみ解剖学的に大泉門は2〜3歳ころです。

泉門の閉鎖障害

泉門が正常より早期に閉鎖している場合には,小頭症狭頭症を。

閉鎖が遅延している場合には、化骨障害水頭症などを考えます。

大泉門の早期閉鎖

・先天代謝異常症
・Down症
・5p-症候群(猫鳴き症候群)
・13トリソミー
・細菌性髄膜炎
・Apert症候群
・Crouzon症候群 

大泉門の閉鎖遅延

・水頭症
・脳圧冗進
・巨脳症
・骨疾患

まとめ

今回の頭蓋冠の発育で、まず、覚えておきたいのは骨の成長様式泉門の閉鎖時期

さらに応用を考えるならば、泉門の早期閉鎖や閉鎖遅延を伴う疾患はどれかといった内容かと思います。

臨機応変に対応。または、ガチガチに暗記するかでクリアできます。

109A24はそんな文脈とは異なりますが、例えばこんな感じでしょうか。

109A24
大泉門の早期閉鎖で起こるのはどれか。1つ選べ。
a 下顎後退
b 耳介低位
c 青色強膜
d 頭蓋変形
e 毛髪減少
解答:D

参考となる過去問はこちらから
【歯科医師国家試験】成長発育:脳頭蓋・顔面頭蓋の発育(計10問)

まとめた教材はこちらから

【一夜漬け猛特訓】成長発育