【歯科矯正学】治療:治療時期 〜 予防矯正・抑制矯正・本格矯正 〜

治療開始時期はアメリカ矯正歯科学会による歯科矯正学教授要項から、4つのカテゴリーに分類されています。

本記事では、主に、日本の教科書及び大学の講義などで馴染み深い分類(予防・抑制・本格矯正の3つ)で記載しています。

矯正治療の時期について国家試験的にはどうかというと、過去2019年に1問だけ出題されました。(2019/7/7)

112D6
8歳の女児。吸指癖による前歯部開咬に対して筋機能療法を行った。
この治療法はどれか。1つ選べ。
a 限局矯正
b 部分矯正
c 本格矯正
d 抑制矯正
e 予防矯正

解答:D

とはいえ、内容はそこまで複雑ではないのでさらっといきたいと思います。

歯科矯正の開始時期

予防矯正

予防矯正

予防矯正

現状、不正咬合の発症は無し

しかし、今後、不正咬合が予測できる場合に、原因になる要素を早期に除去して予防する治療のことです。

具体的には、不良な口腔習癖の排除過剰歯、小帯の除去などがあります。

抑制矯正

抑制矯正

抑制矯正

すでに不正咬合がみられる状態

不正咬合を誘導している要因を抑制し、口腔顎顔面の成長発育を正しく誘導する治療のことです。

具体的には、乳歯の咬合干渉の除去や不良習癖の除去があります。

本格矯正

本格矯正

本格矯正

永久歯列期に不正咬合があり、広い範囲で矯正治療が必要な場合に行われる治療です。

多くの場合、マルチブラケット装置を使用。

※補足:限局矯正

歯列全体ではなく、部分的に不正咬合を改善してより良い咬合を形成する治療です。

開始時期の分類

矯正治療の開始時期は成長期にある若年者矯正と成長期が終了した成人矯正に分けられることもあります。若年者矯正は主に乳歯列から混合歯列期を対象とし、一期治療と呼ばれ、成人矯正は永久歯列に対して行われ二期治療とも呼ばれます。