三叉神経痛(2019年11月8日更新)【口腔外科学】



病 態

三叉神経痛とは顔に痛みのでる疾患。歯の痛みで生じることもある。

原 因

特発性(真性)三叉神経痛

頭蓋内の動脈による三叉神経の圧迫によるものと考えられているが原因は不明。

症候性(仮性)三叉神経痛

歯髄炎、上顎洞炎、帯状疱疹後神経痛、外傷など原因となる器質的疾患がある。

性差・好発年齢・好発部位

・特発性の場合、40代以上の女性に多い。三叉神経第2枝領域が最も多い。次いで第3枝。

・症候性の場合、原因疾患が異なるため一定の傾向はない。

症 状

・特発性:片側のみで発作性の電撃様激痛。疼痛は三叉神経の領域に沿ってみられる。疼痛は会話、歯磨き、食事の際に誘発される。しかし、睡眠時、夜間にはみられない。

・症候性:特発性よりも疼痛は軽度。一般的に持続性の放散痛で、疼痛の誘発帯はないことが多い。

Valleix の圧痛点

三叉神経の各枝の通過孔(眼窩上孔、眼窩下孔、オトガイ孔)に相当する部位

Patrickの発痛帯

触れただけでも激痛が生じる。上唇、口角付近など三叉神経領域にみられる

治 療

特発性

抗てんかん薬(カルバマゼピン)の投与(第一選択):カルバマゼピンが効かない場合はバクロフェンを投与することもある

・補助的に鎮痛薬が用いられる。

・薬物療法が効かない場合は三叉神経ブロックを行う。

・ガンマナイフ療法:ガンマ線を三叉神経根に照射する

・手術療法:微小血管減圧術(Janetta手術)、神経捻除術

症候性

・原因疾患の治療

・補助的な鎮痛薬の投与



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