歯周外科の分類(2019年12月12日更新)【歯周病学】



歯周外科の適応による分類

ポケットに対するもの

① 仮性ポケット:歯肉切除術+歯肉整形術

② 真性ポケット

・比較的浅い骨縁上ポケット→歯周ポケット掻爬術、新付着術

・深い歯周ポケット(骨縁上、下)→フラップ手術

付着歯肉の獲得

・口腔前提拡張術

・歯肉弁根尖側移動術

・遊離歯肉移植術

・結合組織移植術

歯根面露出を改善

・歯肉弁歯冠側移動術

・歯肉弁側方移動術

・遊離歯肉移植術

・結合組織移植術

分岐部病変を改善

・分岐部形態修正(ファルカプラスティ)

・歯根分離

・歯根切除(ヘミセクション、トライセクション)

・歯根除去(ルートリセクション)

目的による分類

組織付着療法

根面を清掃し軟組織を根面に付着させる。

・ポケット掻爬術

・新付着術(ENAP)

・フラップ手術

歯周組織再生療法

組織を再生し新付着を得る。

・GTR法

・EMD

・骨移植

切除療法

組織を再生し新付着を得る形態修正しポケットを減らす。

・歯肉切除術

・根尖側移動術

歯周整形

形態を修正し審美性、機能性を得る。

・歯周形成手術

治癒形態による分類

創傷を受けた組織に起こる組織変化のことを創傷治癒とよぶ。創傷治癒には閉鎖縫合による一次治療と、開放創の二次治療がある。

一次創傷治癒:閉鎖型術式

手術創などの感染がなく縫合された創は、線状の細い瘢痕のみを残す。比較的早い時期に治癒する。

・歯周ポケット掻爬術

・新付着術(ENAP)

・歯肉剥離掻爬術

・遠心側ウェッジ手術

・歯肉弁側方移動術(受容側)

・遊離歯肉移植術(受容側)など

二次創傷治癒:開放型術式

縫合せずに開放創のまま治癒が生じた場合は、治癒が遅延し、瘢痕を残して治癒する。

・歯肉整形術

・歯肉切除術

・口腔前庭拡張術

・遊離歯肉移植術(供給側)

・歯肉弁側方移動術(供給側)

・歯肉弁根尖側移動術

以上の治癒形式の差は、創傷の処置法、治癒後の外観、機能の違いなどによる臨床的な分類である。

 



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