歯肉結合組織移植術(2019年12月25日更新)【歯周病学】



結合組織移植術による根面被覆は、他の歯周外科術と比較して治療成績が高い。現在、根面被覆の第一選択となっている。遊離歯肉移植と比較して、適応症や審美性、患者への負担などの点で、多くの利点を有している。

特 徴

・術創が2か所必要。

・移植片採取後は供給部の閉鎖が可能。

・血液供給が良好なため、成功率は高い。

・移植後の色調などが周囲組織と調和する。

・移植片の採取量に限界がある。

・手術が難しい。

適 応

① 付着歯肉の獲得。

② 1歯から数歯までの根面被覆。

③ 他は遊離歯肉移植術に準じる。

術 式

① 受容側の形成

対象歯の箇所に部分層弁を形成。露出した歯根面は、スケーラーなどを用いてルートプレーニングをしておく。

② 供給側からの結合組織移植片の採取

ロ蓋部から結合組織からなる部分層弁を形成。 この部分層弁の下部にある結合組織を一塊にして採取する。採取したあとは、縫合閉鎖を行う。

③ 移植片の適合と固定

結合組織の移植片を対象歯のセメント・エナメル境に合わせ、移植床に縫合固定する。

④ 部分層弁の縫合と歯周パック

移植した結合組織移植片を覆うように、受給側のフラップを歯冠側へ移動させ縫合する。供給側と受容側に歯周パックを設置。



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