歯周組織再生療法(2019年12月14日更新)【歯周病学】



歯周組織再生療法

歯周組織再生には、幹細胞・増殖因子・足場の3要素が必要である。

この3要素に適切な時間や環境が加わることで組織の再生が起こる。

幹細胞(stem cell)

多能性幹細胞

人体のあらゆる組織に分化する能力がある細胞

・ヒト胚性幹細胞(ES細胞embryonic stem cell)

・ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞induced pluripotent stem cells)

体性幹細胞

分化がある程度進み、特定の組織を再構築する能力がある細胞

・神経幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞など

増殖因子

① PDGF(血小板由来増殖因子)
血小板に含まれる増殖因子の一つ。創傷治癒の最も一般的。

② IGF-I(インスリン様増殖因子)
軟骨や骨芽細胞、結合組織の成長に関与。

③ BMP-2(骨形成タンパク質)
未分化間葉細胞を活性化し骨形成を促進。

④ TGF-β(トランスフォーミング増殖因子)
血小板に含まれる増殖因子の一つ。骨芽細胞は増殖させ、破骨細胞には抑制的に働く。

⑤ FGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子)
幹細胞の増殖促進や血管新生作用を持つ。

※エナメルマトリックスタンパク質は複数の増殖因子を含む。

足場(スキャフォールド)

① 人工合成骨移植材

・ハイドロキシアパタイト材:HA

・β- 第三リン酸カルシウム:β-TCP

② GTR膜

・非吸収性膜:ePTFE膜

・吸収性膜: コラーゲン膜 



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