アマルガム修復(2019年12月20日更新)【歯冠修復学】



アマルガム

アマルガム

アマルガムは歯科用金属のなかで唯一、成形充塡に用いられる材料である。歯髄に対する刺激性もなく、技工操作も必要としないことから、以前は臨床において使用されてきた。しかし、近年は環境への影響が問題となり、使用頻度は減少してきている。

特 徴

適応

①臼歯部内側性窩洞

→1級が最適応。2級でも症例によっては適応となる。
ただしMOD窩洞のような外側性の窩洞に近い場合には適応とならない。

②歯根尖切除術の逆根管充塡

→最近はEBA セメントを使用する。

術 式

① 窩洞形成

1)窩洞外形
・メタルインレー窩洞に比べてイスムスの幅は広くする

2)保持形態
・歯質接着性がないためアンダーカットが必要→ 角形穿下

3)抵抗形態
・髄側軸側線角を丸めるリバースカーブ←アマルガムの破折を防ぐため
・近遠心壁は外開きとする→歯質の破折を防ぐため

4)窩縁形態
・ 窩縁斜面は付与しない。←縁端強さは小さいため。
→窩縁隅角は90度(バットジョイント)とする。

②混汞(こんこう)

・規定されている合金水銀比を計量。そのあと、アマルガムミキサーで機械的練和を行う。

③塡塞・彫刻

・練和したアマルガム泥をアマルガムキャリアー(輸送器)で窩洞へ。

・アマルガム充塡器で圧接を行う。次にバーニッシュを行う。

・アマルガムカーバーでカービングを行う。

④咬合調整・研磨

・次回来院時に行う。

・アマルガムは熱によって分解すると水銀が遊離。したがって、研磨は低速回転で行う必要がある。

取り扱い

材料としての水銀は医療従事者の安全保持や、排水汚染については十分に注意しなければならない。

① 水銀は揮発性のため、換気を十分に行う。

② まめに清掃する

③ 素手で硬化前のアマルガムに触れない。

④ 練和する際は、気密性の高い容器を使用する。

⑤ ラバーダムを使用し、余剰アマルガムは確実に回収する。

⑥ アマルガムの除去は注水下、低速回転で行う。熱は発生させない。

⑦ 回収したアマルガムは水中に保管。

⑧ アマルガム専用のバキュームを使用する。

⑨ アマルガムの除去時はアマルガムの切削量を少なくする。



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