【小児の歯内療法】抜歯基準のコツは骨の吸収程度⁉️ 感染根管治療 vs 抜歯

わたしたちが歯内療法の臨床実地問題を解いているとき、必ずといっていいほど、感染根管治療や抜歯といった選択肢が登場しますね。そんなとき、いつも決まってわたしたちをこまらせるのが、どういうときに抜歯をするのかという判断基準です。

問題を解くと、自分の中で決めていたはずのルールがブレることはないでしょうか・・・?今回は、そんな抜歯する際の判断を、過去問を扱いながらマスターしていきたいと思います。

抜歯の判定基準

いきなり本題ですが、まず、抜歯の基準は『後継永久歯に影響があるかないか』です!影響があると考える場合は躊躇なく抜歯を選択します。

では、どういった場合に影響があると考えるでしょうか?

それは、『骨の吸収程度もしくは、後継永久歯の歯嚢硬線の喪失』で判断します。

上の写真では、乳歯の根尖病変の影響で骨の吸収も大きく、後継永久歯の歯嚢硬線の連続性も喪失しています。

この場合、歯の形成に障害がでてくると考え、抜歯を選択します。

ちなみに、後継永久歯に影響がない場合でも、歯根の吸収が1/3以上だと抜歯をおこない、歯根の吸収が1/3以下だと感染根管治療をおこないます。

上の写真では、根尖病変の影響により歯根の吸収がおこってます。さらっとみると歯根の吸収はすすんでいそうですが、左側と比べると歯根の吸収は1/3以下ということがわかります。したがって、感染根管治療をおこないます。

では、実際の過去問をふりかえりながら抜歯の選択基準をマスターしたいと思います。

過去問解説 〜 小児の歯内療法 〜

95B21
4歳2か月の男児。下顎左側乳臼歯部歯肉の腫脹を主訴として来院した。3か月前に「DEの齲蝕に気づき治療を受けたが、3日前から「D部頬側歯肉に小豆大の腫脹を生じたという。初診時の口腔内写真とエックス線写真とを別に示す。

「Dに対する適切な処置はどれか。1つ選べ。
a 断 髄
b 抜 髄
c 感染根管治療
d ヘミセクション
e 抜 歯

解答&解説
◯e:エックス線画像から、乳歯の根尖病変によって後継永久歯の歯嚢硬線が消え、骨の吸収の程度も大きそうです。したがってeが妥当ではないでしょうか。

99B20
5歳の女児。頬部の腫脹と疼痛とを主訴として来院した。2日前から夜間痛と咬合痛とがあるという。顎下リンパ節に圧痛がある。初診時の顔面写真、口腔内写真およびエックス線写真を別に示す

  

まず行う処置はどれか。1つ選べ。
a 直接覆髄法
b 生活断髄法
c 抜髄法
d 感染根管治療法
e 抜 歯

解答&解説
◯d:エックス線画像から、根尖病変もみられないので、まだまだ感染根管治療で歯を残せそうです。

109B7
5歳の女児。右側の下顎乳臼歯部の歯肉腫脹を主訴として来院した。 D┐の動揺は2度で打診痛があり、歯髄電気診に反応しなかった。初診時の口腔内写真とエックス線写真を別に示す。

 

消炎処置後の処置として適切なのはどれか。1つ選べ。
a 直接覆髄
b 生活断髄
c 麻酔抜髄
d 失活抜髄
e 抜 歯

解答&解説
◯e:エックス線画像から、乳歯の根尖病変によって後継永久歯の歯嚢硬線が消え、骨の吸収の程度も大きそうです。したがってeが正解になりそうです。

まとめ&一言


さて、最後にまとめと、ちょっとしたアドバイス的な一言。軽く小児の抜歯の判断をまとめましたが、実はかなり難しいです。特に前歯部!

一見、後継永久歯の歯嚢硬線が消失しているかなっとおもうのですが、乳前歯部では歯胚が被っているため判断がつきにくいことがあります。

では、どうしたらよいかというと、過去問をひたすら参照してみると、実は抜歯を選択するような問題は『後継永久歯の歯嚢硬線が消失している』+『骨の吸収がとにかく大きい』という設定で出題されていることが多いです。

根の吸収もあんまりせず、後継永久歯の歯嚢硬線が消失している場合のみ感染根管治療が正解選択肢として選ばれることが多いみたいです。

ガイドライン的な自分のルールで過去問を解いていると、そのルールに当てはまらないことがありますが、気にせず学習を進めることも大事にかと思います。

ぜひ、参考にしてみてくだい!

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