【口腔外科学】唾液腺疾患:粘表皮癌



粘表皮癌

病態

粘表皮癌は腺様嚢胞癌と並んで発生頻度が高い代表的な悪性唾液腺腫瘍。

低悪性型:粘液産生細胞が多い(高分化型)

中間型:低悪性型、高悪性型いずれにも該当しない(中分化型)

高悪性型:類表皮細胞が多い(低分化型)

症状

・発育は緩慢

・低悪性型:無痛性の腫瘤が主で、嚢胞状の形態をとることが多い。

・高悪性型:しばしば疼痛や潰瘍がみられる。

好発年齢・好発部位

・20〜40代

・耳下腺、口蓋腺

・若者の悪性唾液腺腫瘍の中では最も頻度が高い

検査所見

病理組織所見

3種類の腫瘍実質の細胞からなる。

類表皮細胞: 多角形で扁平上皮細胞に類似した細胞。一般的に角化傾向は示さない

粘液産生細胞:立方形、円柱形の細胞。
a       PAS染色やムチカルミン染色が陽性(上皮性の粘液が染まる)
a       H−E染色では細胞質が白く明るい

中間細胞:粘表皮細胞や粘液産生細胞の2つに含まれないもの

悪性度

類表皮細胞や中間細胞がよくみられるものは低分化型で悪性度が高い。

治療

・腫瘍切除術

予後不良

悪性度が高いものは再発しやすい。



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