
病 態
原 因
・剥離した唾液腺の導管上皮や細菌の塊などが核としてきっかけになり、唾液中のリン酸カルシウムなどが沈着して生じる。
・唾液腺の炎症
・導管の閉塞による唾液の停滞
症 状
・食事などによる一過性の疼痛(唾疝痛)
食事中は唾液分泌が促進されるため。
・唾液腺の腫脹
・導管開口部からの拝膿(二次感染を起こした場合)
性差・好発年齢・好発部位
・顎下腺が80%以上(次に耳下腺、舌下腺)
・主に片側性に生じる。(両側性はまれ)
検査所見
病理組織所見
• 主にリン酸カルシウム(約70%)からなる同心円状の層状構造。その他は、炭酸カルシウムが約10%とわずかなリン酸マグネシウム、酸化鉄が含まれている。
・腺房の萎縮や変性、消失
・導管周囲に慢性炎症性細胞浸潤
・小葉間結合組織の増生
鑑別
組織像の類似するKüttner腫瘍との鑑別が必要。
画像所見
・咬合法やパノラマ、CTで楕円形あるいは類円形の不透過像(石灰化物)
鑑別
血管腫の静脈石とはCTでの検討と病理組織で鑑別
治 療
導管内唾石:唾液腺から離れて導管内にあるもの
・画像と双手診などで位置を確認し、口内法で唾石の直上を切開し摘出
・摘出時に唾石を後方に押し込まないよう注意
注意
• Wharton管前方:舌下腺の損傷に注意→損傷するとガマ腫を発症する危険があり
• Wharton管後方(大臼歯部):舌神経の損傷に注意→損傷すると舌知覚麻痺、味覚障害
腺体内唾石:腺体内導管に生じたもの
・ロ外法で大唾液腺とともに摘出
注意
・顎下腺摘出時には、顔面神経下顎縁枝、顔面動静脈、舌神経などの損傷に注意
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