咬合性外傷(2019年12月27日更新)【歯周病学】



咬合性外傷は歯周組織に許容範囲を超えるような咬合力が加わったときに生じる外傷のことである。単独の疾患ではあるが、歯周疾患の代表的な増悪因子でもある。

特 徴

臨床所見

① 動揺度の増加

② 早期接触

③ 咬耗

④ 歯の破折

⑤ 咬合痛や打診痛の出現

⑥ 歯肉炎の増悪

⑦ 歯周ポケットの増悪

⑥、⑦は二次性咬合性外傷のみでみられる。

エックス線所見

① 歯根膜腔の拡大

② 歯槽硬線の消失や肥厚

③ 歯根吸収

④ セメント質の肥厚

一次性咬合性外傷

健全な歯周組織を有する歯に過度な外力が加わることによって生じる。

原 因

ブラキシズムや早期接触、不適切な修復物、食片圧入など

処 置

過度な力を除去すれば元に戻るので原因の除去を行う。

二次性咬合性外傷

歯周炎の進行により咬合を負担する能力が低下した歯に生じる。生理的な咬合力によっても引き起こされる。

原 因

・歯周炎の進行や残存歯の減少など

処 置

・まずは、炎症に対する歯周基本治療。

・炎症が消退しても動揺が存在する場合は、咬合調整や暫間固定を行う。

・重度の歯周病患者で改善が認められない場合は、広範囲のプロビジョナルレストレーションによる固定や永久固定などを考慮した治療が必要となる。



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