ブリッジの種類(2020年1月31日更新)【クラウン・ブリッジ学】



ポンティック

ポンティック

固定性ブリッジ

支台装置とポンティックが連結固定され、さらに支台装置が支台歯と合着材で合着されるブリッジのこと。一般的には、ブリッジ全体を一塊として鋳造する一塊鋳造法と連結部をろう付けすることによって完成するろう付け法がある。

特 徴

固定性ブリッジは支台歯に合着されるため支台歯の動揺を抑えることができる。(一次固定が可能)また、一方の支台歯に加わる咬合圧はポンティックを介してもう一方の支台歯に伝達される。そのため、咬合力の分散をはかることができる。

部分床義歯と比較して以下の特徴がある。

・咀嚼効率がよい。

・審美性に優れている。

・装着感がよい。

・構音障害が生じない。

・咬合圧を分散できる。

・装置を着脱する必要がない。

適応症

・ 2歯以上の支台歯間の平行性があること。症例によっては、歯内療法後に支台築造で歯軸の改善をはかる場合もある。

・少数歯中間欠損

半固定性ブリッジ

ポンティックの一側は支台装置と固定的に連結され他側の支台装置とポンティックはおもにキーアンドキーウェイで連結され、咬合圧、咀嚼圧は両側の支台歯が負担する構造のものをいう。

キーアンドキーウェイは、主として半固定性ブリッジに用いるスライド型の連結装置の1つである。支台歯の歯冠内に設けられたキーウェイと、キーウェイに嵌合するようにポンティック部に設けられたキーから構成されている。

特 徴

以下に固定性ブリッジと比べた際の半固定性ブリッジの特徴をあげる。

① 咬合圧に対して個々の支台歯のある程度の生理的動きが可能である。

② ブリッジに加わる咬合力の緩圧が可能である。

③ 支台歯間の平行性がとれない場合でもブリッジの装着が可能である。

適応症

支台歯間での平行性の設定ができない、あるいは中間に支台歯のある欠損歯列に半固定性ブリッジが適用される。しかし、中間の支台歯は支点として働き、前方あるいは後方の支台歯のクラウンを脱離させる可能性がある。

可動性連結装置を用いることの利点

① 連結部で咬合圧が緩和される。

② 支台歯の維持力に差がある場合に、ある程度許容できる。

③ 支台装置相互の生理的動揺の差を許容できる。

可撤性ブリッジ

ブリッジの全部または一部が可撤性となっているブリッジを可撤性こと。ポンティック部のみ取り外しが可能なものと支台装置ごと取り外しができるのものがある。

特 徴

固定性ブリッジでは支台装置を支台歯へ合着する。そのため、顎堤の状態の条件によっては審美性や装着感に問題が生じる。したがって、顎堤吸収の大きい場合や欠損範囲が広い症例に対しては有床型ポンティックを用いることで審美性の回復と清掃を可能にする。

部分床義歯と同様な構造があるが、基本的には可撤性ブリッジは歯根膜支持である。ポンティック部に加わった咬合圧が直接支台歯に伝達される構造にあるため、歯根膜支持である。

適応症

・顎堤の吸収程度が著しい場合

・支台歯間の平行性がとれない場合

・固定性ブリッジでは清浄性・審美性の確保が困難な場合

接着性ブリッジ

支台歯の歯質切削量を可及的に少なくしたブリッジ。残存歯質が多いことから審美的には有利である。 基本的には歯肉縁上マージンであるため歯周組織への影響が少ない。また、維持力が弱いため、必ずレジンセメントを使用しなければならない。

適応症

・1歯ないし2歯の少数歯欠損

・エナメル質が十分に残存した生活歯



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