骨・軟骨の細胞【生化学】



今回は骨と軟骨にいる細胞のご紹介です。

とくに難しいところはないですが、「骨の形成と吸収(リモデリング)」のところで役に立つ話になります。

先のことも含めてポイントを語らせていただくと以下の2つです。

ポイント

① 骨芽細胞の受容体は知っておく

② 破骨細胞の受容体やマーカーは知っておく

過去問を参照していただいてもわかると思いますが、破骨細胞についてはよく出題されています。

▼参考となる過去問はこちらから▼

生化学:骨・軟骨

生化学:骨・軟骨(計11問)【歯科医師国家試験】(2020年5月13日更新)

13/05/2020

骨は石灰化した結合組織。細胞は骨芽細胞や破骨細胞、骨細胞などがあります。

そして、破骨細胞と骨芽細胞の協同作業によって常に新しい組織にリモデリングされています。

骨の成分については以下の記事にまとめていますので、必要に応じてご参照ください。

骨の有機質成分:オステオカルシン・オステオポンチン

骨の有機質成分:オステオカルシン・オステオポンチンなど【生化学】

31/05/2020

骨芽細胞

骨芽細胞

骨芽細胞は線維成分をはじめさまざまな細胞外マトリックスを合成・分泌し骨の形成に関わります。

骨組織を盛んに形成している骨芽細胞は、骨の表面に配列し、Ⅰ型コラーゲンやオステオカルシン、オステオポンチンなどを分泌していきます。

骨芽細胞によって最初にできる未石灰化の骨を類骨といい、コラーゲン線維やプロテオグリカンが豊富です。

また、骨芽細胞は副甲状腺ホルモンや活性型ビタミンDなどカルシウム代謝を調整するホルモンの受容体が存在。後の破骨細胞の分化誘導にも重要な役割を果たしています。

破骨細胞

破骨細胞は骨吸収能を有する多核巨細胞。骨のリモデリングにおいても重要な役割を果たしています。

破骨細胞は明帯と呼ばれる部分で骨の表面に接着。明帯と明帯の間で囲まれた部分に波状縁を形成していきます。

接着部位はインテグリンを介在。もちろん相手方のアミノ酸配列はRDG配列です。

接着に関しては以下の記事もご参考にください

接着性タンパク質

接着性タンパク質:ラミニン、RGD配列、インテグリンとは【生化学】(2020年5月27日更新)

28/05/2020

破骨細胞の細胞質にあるのは酒石酸抵抗性酸ホスファターゼと水素イオンを産生する炭酸脱水酵素。

骨吸収のときは、波状縁から多量のタンパク質分解酵素(カテプシンKなど)や酸を放出します。

また、破骨細胞の細胞表面にはカルシトニン受容体があるため、カルシトニンが受容体に結合すると波状縁は消えて、骨吸収作用は低下します。

カテプシンK

破骨細胞から分泌されるシステインプロテアーゼ。Ⅰ型コラーゲンを分解します。

ここで一回、過去問を参照します。

110C58
破骨細胞に直接作用して活性を促進するのはどれか。1つ選べ。
a RANKL
b カルシトニン
c 活性型ビタミンD
d PTH〈副甲状腺ホルモン〉
e TSH〈甲状腺刺激ホルモン〉

113C43
破骨細胞が産生するのはどれか。3つ選べ。
a カテプシンK
b 炭酸脱水酵素Ⅱ型
c コリンエステラーゼ
d アルカリホスファターゼ
e 酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ

というように破骨細胞に対してよく触れられています。ここで破骨細胞のマーカーについてまとめます。

破骨細胞のマーカー

① カルシトニン受容体

② 酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ

③ 炭酸脱水酵素(Ⅱ型)
→二酸化炭素と水をH+とHCO3−に変換する酵素。

細胞膜に存在する受容体

① IL-1(インターロイキン1)レセプター
骨吸収促進因子のIL-1が結合するレセプター。破骨細胞分化因子の発現に関与

② M-CSF レセプター
骨芽細胞が産生するマクロファージコロニー刺激因子〈M-CSF〉のレセプター
破骨細胞への分化を誘導。

③RANK
RANKL のレセプター。
RANKL はRANK と結合して破骨細胞の活性化、前駆細胞からの分化を誘導。

④ カルシトニンレセプター(カルシトニン受容体)
甲状腺から分泌されたカルシトニンが破骨細胞の活動を抑制

骨のリモデリングのところでも出てくるお話になります。

骨細胞

骨細胞

骨細胞は、骨芽細胞が自ら形成した骨基質のなかに埋め込まれた細胞です。

骨小腔という空間に存在しています。

骨細胞に共通した形態的特徴の1つとしては、多数の細胞突起。これらの突起が隣接する骨細胞や骨芽細胞と互いに結合し、細胞間のさまざまな情報の連絡を行っています。

軟骨

軟骨は血管と神経がない特殊な結合組織です。基質の存在もあって圧に対する抵抗力があります。

有機成分としてはⅡ型コラーゲンを主とし、プロテオグリカンやグリコサミノグリカンなどの基質によって構成されています。

また、線維の種類や量によって、硝子軟骨弾性軟骨線維軟骨にわけられます。

軟骨細胞

軟骨を構成する細胞外マトリックス成分は、いずれも軟骨細胞によって合成・分泌。

軟骨細胞は、骨芽細胞とは違った分化の道筋をたどり、静止軟骨細胞→増殖軟骨細胞→肥大軟骨細胞の順に分化していきます。

一応、組織学的分類も載せておきます。

組織学的分類

硝子軟骨
・最も多くみられる軟骨。
・肋軟骨、気管軟骨、胎児骨格などを構成。
・線維に少なく、プロテオグリカンからなる軟骨基質が豊富
・関節軟骨の形成を行っている

線維軟骨
・椎間板などにみられる軟骨。
・膠原線維が多い。

弾性軟骨
・硝子軟骨に似ているが、硝子軟骨と異なり弾性線維が多い。
・耳介や外耳道、喉頭蓋などにみられる

まとめ

最後にもう一度確認します。

ポイント

① 骨芽細胞の受容体は知っておく

② 破骨細胞の受容体やマーカーは知っておく

やっぱり、生化学的には破骨細胞のお話は問いたいところではあります。

とはいっても、骨のリモデリングの内容でまとめて覚えていただければと思います。

▼参考となる過去問はこちらから▼

生化学:骨・軟骨

生化学:骨・軟骨(計11問)【歯科医師国家試験】(2020年5月13日更新)

13/05/2020



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