骨の有機質成分:オステオカルシン・オステオポンチンなど【生化学】



骨の有機質成分:オステオカルシン・オステオポンチン

さて、骨の有機成分です…。

いきなりですが、テスト対策的な戦略からお伝えさせてください。

ここの内容を正面きって向き合うのは大変なので…。

攻略のポイントは3つです。

Point

① 骨や象牙質に含まれる非コラーゲン成分は?

② Glaタンパクとはなに?含むものは?

③ RDG配列を含むのはどれ?

記事としてはいろいろ書いてありますが、下の表を覚えて、過去問を参照してくだされば、最低ラインはOKかと思います。

過去問

112C4
象牙質に最も多く含まれる非コラーゲン性タンパク質はどれか。1つ選べ。
a ホスホホリン
b オステオカルシン
c オステオポンチン
d 象牙質シアロタンパク質
e 象牙質マトリックスタンパク質1

骨の有機成分は象牙質やセメント質とほとんど同じ成分です

なので、まずは骨を中心にみていき、後で象牙質やエナメル質の成分について確認していきたと思います。

▼参考となる過去問はこちらから▼

生化学:歯と歯周組織の生化学

生化学:歯と歯周組織の生化学(計5問)【歯科医師国家試験】(2020年5月17日更新)

17/05/2020
生化学:骨・軟骨

生化学:骨・軟骨(計11問)【歯科医師国家試験】(2020年5月13日更新)

13/05/2020

補足ですが、 アミノ酸残基はペプチドに含まれるアミノ酸-NH-C(R)(H)-CO-をアミノ酸のことです。N末端とC末端アミノ酸は厳密には含まれないこともありますが、通常区別することなく使うことがあります。N末端アミノ酸の場合は特にN末端残基、C末端アミノ酸の場合は特にC末端残基と呼びます。例えば、文章中に出てくる300個のアミノ酸残基というのは300個くらいアミノ酸が連なっているとおもっていただければと思います。

骨の組成

骨の組成の約70%はカルシウムとリン酸の複合体であるヒドロキシアパタイトです。

残りは有機質が約22%と水が約8%になります。

さらに有機質の区分としては、圧倒的に多いのがⅠ型コラーゲン(約90%)。

その他は、オステオネクチンやオステオカルシン、マトリックスGla タンパク質、骨シアロタンパク質、オステオポンチンなどといった非コラーゲン性タンパク質(non-collagenous protein:NCP) が存在します。

非コラーゲン性タンパク質は全タンパク質のなかで10%前後しかありませんが、特徴としては酸性タンパク質が多いです。アパタイトと相互作用するものがあり、石灰化への関与が注目されています。

骨の細胞外マトリックス成分の基本的な機能は骨の力学的支持局所における細胞機能の調節です。

Ⅰ型コラーゲンによって構築されるコラーゲン線維は、建てもので例えれば、鉄骨に相当。

そこに職人の非コラーゲン性タンパク質などが、コンクリートに相当するヒドロキシアパタイトを塗り固めていき、骨の建物が完成していきます。

コラーゲン

骨の有機成分のほとんどを占めるのがⅠ型コラーゲンです。

Ⅰ型コラーゲンのほかには、少量のⅢ型、Ⅴ型コラーゲンが存在しています。さらにファシットコラーゲンも含まれていることが考えられています。

これらのコラーゲンは一般的なコラーゲンと本質的に同じですので、下記の記事もご参考にください。

▼参考となるテキストはこちらから▼

コラーゲン

コラーゲン:構造から種類、特徴まで【生化学】

20/05/2020

非コラーゲン性細胞外マトリックス

オステオカルシン(骨Glaタンパク:BGP)

オステオカルシンは多くの脊椎動物の骨の中に大量に存在している非コラーゲン性タンパク質。

その分子内にはy—カルボキシグルタミン酸(Gla) 残基を含むのが特徴的です。

オステオカルシンはアパタイト結晶に高い親和性があり、その機能は石灰化の促進よりも、アパタイト結晶の安定や過剰な石灰化を抑制したりと調節する役目を担っていると考えられています。

また、もう1つの機能としては、破骨細胞の前駆体である単球/マクロファージに対して走化性を促することも。

骨シアロタンパク(BSP)

シアル酸と少量のリン酸を含む糖タンパク質。

骨の非コラーゲン性タンパク質の約12%を占めます。

アミノ酸配列中にRGD配列(Arg-Gly-Asp)を持つので、接着性タンパク質としての機能が考えられています。

また、最近では、骨の石灰化前線に局在するということから、骨の初期石灰化に深く関係するとも考えられています。

マトリックスGla タンパク(matrix Giaprotein:MGP)

アミノ酸79残基からなる酸性タンバク質。

5個のGla残基を含みます。

骨以外の石灰化しない軟骨や肺、腎臓などでも合成されます。機能としては石灰化抑制因子としての作用が考えられています。

象牙質マトリックスタンパク質

ポリペプチド鎖の約半分がセリン、グルタミン酸およびアスパラギン酸残基によって占められている酸性タンパク質。

セリン残基の約半分がリン酸化されています。

分子大部分が負電荷を帯び、Ca2+ に対して強い結合能があるため、石灰化における役割が注目されています。

BAG-75

骨タンパク質の中で最も高度にリン酸化されているリンタンパク質。

ポリペプチド鎖のN末端にグルタミン酸やアスパラギン酸などの酸性アミノ酸を多く含む配列をもつことからCa2+に対して強い結合能を有しています。

機能としては、破骨細胞による骨吸収を抑制や、石灰化を促進する役割を考えられています。

オステオポンチン

骨の主要なリンタンパク質。 301 残基のアミノ酸からなり、少量のシアル酸を有しています。

アミノ酸配列中にRGD配列を持つため、細胞の接着を媒介するという機能が考えられています。

また、オステオポンチンは軟組織でもその存在が確認されています。

オステオネクチン

多量のグルタミン酸とアスパラギン酸を含む酸性の糖タンパク質

骨においては非コラーゲン性タンパク質の約20〜25% も占めます。象牙質にも少量存在。

オステオネクチンはヒドロキシアパタイトと1型コラーゲンの両方に結合し、in vitro(試験管内でという意味) で石灰化を促進させる作用を有するため、骨における石灰化の核形成に関わると考えられていました。

しかし、最近では、カルシウム結合タンパク質としての機能が考えられています。

プロテオグリカン

骨の主要なプロテオグリカンは、ビグリカンとデコリンです。

骨はデコリンが主体で、コラーゲンのhole zone (縞模様の薄い部分)に結合して石灰化の調節を行っています。

また、プロテオグリカンは組織が石灰化する直前に石灰化部位から大部分が消失。そのため、石灰化部位の空間と形状を確保して組織の石灰化を阻止し、石灰化開始時には除去されると考えられています。

プロテオグリカン:グリコサミノグリカンの種類など【生化学】

プロテオグリカン:グリコサミノグリカンの種類など【生化学】

25/05/2020

Glaタンパク質とは

γ-カルボキシグルタミン酸〈Gla〉というアミノ酸を含むタンパク質です。

Gla タンパク質はグルタミン酸を原料にビタミンK依存性カルボキシラーゼという酵素によって作られます。

そして、その酵素ではビタミンK が必要。

さらにGla タンパクの前駆体の合成にはビタミンDも関与しています。

このようにして生じたGla残基のカルボキシ基がCa2 +に親和性を示します。

ビタミンK の欠乏は血液凝固能の低下だけではなく骨代謝の異常も生じるんですね。

まとめ

といわけで、ほそぼそ書いてきましたが、

まずは最低限、以下のポイントを押さえてくださればと思います。

Point

① 骨や象牙質に含まれる非コラーゲン成分はどれかという判別

② Glaタンパクとはなにか、含むものは?

③ RDG配列を含むのはどれか

過去問

112C4
象牙質に最も多く含まれる非コラーゲン性タンパク質はどれか。1つ選べ。
a ホスホホリン
b オステオカルシン
c オステオポンチン
d 象牙質シアロタンパク質
e 象牙質マトリックスタンパク質1

改めてRDG配列もどうぞ!

▼参考となる過去問はこちらから▼

生化学:歯と歯周組織の生化学

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