
今回の内容はエナメル質の有機成分についてみていきたいと思います。
エナメル質の有機成分自体は種類が多くないので、暗記項目する内容だと思って取り組んだ方が効率的だと思います。
暗記するポイントは以下の2点です。
① エナメル形成初期の有機成分はアメロゲニン
② 最後まで残っている有機成分はエナメリン
とはいっても、国家試験的にはあまり出題頻度は少ないですかね。
それでも、誤答選択肢としてエナメリンやアメロゲニンといった言葉は出てくるので、惑わされないようにしたいです。
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エナメル質の有機成分

成熟したエナメル質は石灰化度が非常に高く、大部分が無機質で出来ています。
しかし、エナメル質の形成初期にはタンパク質が約20%を占めることもあります。
骨や象牙質、セメント質の主要な有機成分がコラーゲンであるのに対し、形成期の幼若エナメル質では、アメロゲニン、エナメリンおよびシースリン(アメロブラスチン)といった固有のタンパク質が主役です。
アメロゲニン
アメロゲニンは、エナメル質形成期の主体をなしているタンパク質です。エナメル質形成初期には約30%も存在しています。
石灰化の進行とともに減少し、成熟エナメル質にはほとんど存在しません。
アミノ酸組成の特徴はプロリン、グルタミン酸、ロイシンおよびヒスチジンが多いです。
エナメル質の石灰化開始に深く関わっていると考えられています。
エナメリン
エナメリンは、エナメル質形成過程の初期に有機基質に存在するタンパク質です。
アミノ酸組成の特徴としては、グルタミン酸やアスパラギン酸、セリンおよびグリシンを多く含みます。
エナメリンはヒドロキシアパタイトヘの親和性が高く、また、石灰化の完了後も残存しています。
シースリン(アメロブラスチン)
シースリンは、エナメル質形成初期に存在する糖タンパク質です。
機能としてはエナメル芽細胞の分化の関与などが考えられています。
象牙質との石灰化の違い
エナメル質と象牙質の石灰化は大きく異なります。
象牙質が基質小胞性による石灰化がみられるのに対して、エナメル質にはみられません。
エナメル質では、エナメル芽細胞の分化や石灰化の開始として、一層の象牙質を必要としてます。
その後、さらにそこからアメロゲニンと水分を脱却しながら石灰化を進行させます。
まとめ
というわけで、最後にもう一度まとめます。
まずは、暗記してください。
その後に、石灰化の違いを理解していくと生化学が立体的にみえて楽しいかもしれません。
暗記するポイントは以下の2点です。
① エナメル形成初期の有機成分はアメロゲニン
② 最後まで残っている有機成分はエナメリン
エナメリンやアメロゲニンといった言葉は誤答肢としても出てくるので、注意したいところです。
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