【歯科医師国家試験】口腔外科学:先天異常〜 唇顎口蓋裂など 〜



口腔外科の唇顎口蓋裂に関する国試です。

国家試験的な内容だけを言わせていただくと、複雑な内容は調べずに治療の流れと目的をおさえるといいかもしれません。

もうちょっと詳しく勉強したい!という方は口腔外科学会編集の著作を参考に読んでみるといいかもしれません。手術の内容をビュジュアル的に理解できます。

大きめの本屋または、大学の図書館に置いてあると思います。

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一般問題

96D10
口唇・口蓋裂で正しいのはどれか。
(1)発生頻度は出生児2,000人に1人である。
(2)唇裂は胎生11週ころに生じる。
(3)多因子要因により発症する。
(4)唇裂と口蓋裂との合併は男性に多い。
(5)唇裂の発生部位は右側に多い。
a (1)、(2)  b (1)、(5)  c (2)、(3)  d (3)、(4)  e (4)、(5)

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98A64
口唇・口蓋裂患者で最も早期に行われるのはどれか。
a 口唇形成術
b 口蓋形成術
c 咽頭弁形成術
d 哺乳床の装着
e 言語治療

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99D7
口唇・口蓋裂の治療で正しいのはどれか。
a 生後6か月ころからHotz床を使う。
b 口唇形成術は体重10kgのころに行う。
c 口蓋形成術は3歳ころに行う。
d 顎裂部骨移植術は犬歯萌出期に行う。
e 言語治療は3歳ころに開始する。

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100B62
9歳の女児。咀嚼障害を主訴として来院した。左側口唇口蓋裂に対し、口唇形成術と口蓋形成術とがすでに行われている。上顎左側歯槽部の顎裂、中切歯の捻転および側切歯の舌側転位が認められる。鼻咽腔閉鎖機能に異常はない。
この時期に行う治療はどれか。
a 外鼻修正術
b 顎裂部骨移植術
c 咽頭弁形成術
d 上顎骨骨切り術
e 口唇修正術

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100D29
1か月の乳児。口唇の異常を主訴として来院した。初診時の顔貌写真(別冊No.00)を別に示す。

正しいのはどれか。 2つ選べ。
a 常染色体優性遺伝である。
b 中耳炎を併発しやすい。
c von Langenbeck法で口唇形成手術を行う。
d 直ちに口蓋床を製作する。
e 生後3か月に口蓋形成手術を行う。

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101A45
鼻咽腔閉鎖不全の治療法として適切でないのはどれか。
a 口蓋再形成術
b 咽頭弁移植術
c 鼻口腔瘻閉鎖術
d 軟口蓋挙上板装着
e スピーチエイド装着

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101A62
学童期における顎裂部骨移植の目的はどれか。
a 犬歯の萌出誘導
b 鼻翼形態の改善
c 前歯部被蓋の改善
d 軟口蓋瘻孔の閉鎖
e 軟口蓋瘢痕の除去

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101B97
唇裂の手術はどれか。2つ選べ。
a Perko法
b Cronin法
c Millard法
d push back法
e von Langenbeck法

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102A29
装置の写真(別冊No.00)を別に示す。

この使用目的はどれか。2つ選べ。
a 誤飲の防止
b 呼吸の補助
c 咀嚼障害の改善
d 発語明瞭度の改善
e 鼻咽腔閉鎖運動の賦活

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102A45
口唇・口蓋裂患者にみられるのはどれか。すべて選べ。
a 吸啜障害
b 構音障害
c 中耳疾患
d 咬合異常
e 心理障害

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102A53
口蓋裂患者の検査中の写真(別冊No.00)を別に示す。

この検査はどれか。1つ選べ。
a 肺活量検査
b 吸引力検査
c 耳管機能検査
d 呼気流量検査
e 呼気鼻漏出検査

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102C1
1歳6か月の男児。生後2か月からHotz床による哺乳障害の改善と顎発育誘導とを行っている。口蓋形成術を行うこととした。術中の写真(別冊No.00)を別に示す。

矢印の部分はどれか。1つ選べ。
a 口蓋粘膜
b アデノイド
c 鼻中隔粘膜
d 上顎洞粘膜
e 下鼻甲介粘膜

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102C20
6か月の乳児。哺乳時の鼻漏れを主訴として来院した。出生後から1回の哺乳に30分以上かかっていたという。初診時の口腔内写真(別冊No.00)を別に示す。

走行異常をきたしている筋はどれか。1つ選べ。
a 口蓋帆挙筋
b 茎突咽頭筋
c 内側翼突筋
d 口蓋帆張筋
e 上咽頭収縮筋

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103A106
筋の機能再建を行うのはどれか。すべて選べ。
a 口唇形成術
b 口蓋形成術
c 小帯延長術
d 外鼻修正術
e 咽頭弁移植術

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105C51
唇顎口蓋裂の手術で再建するのはどれか。2つ選べ。
a 咬 筋
b 頰 筋
c 口輪筋
d 口蓋帆挙筋
e 内側翼突筋

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105C75
口蓋裂新生児で対応を優先すべきなのはどれか。1つ選べ。
a 哺乳障害
b 聴覚障害
c 味覚障害
d 構音障害
e 審美障害

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106A75
8歳の唇顎口蓋裂児において顎裂部二次的骨移植術を行う目的はどれか。2つ選べ。
a 中耳炎の予防
b 犬歯の萌出誘導
c 上顎洞炎の改善
d 反対咬合の改善
e 鼻口腔瘻の閉鎖

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107A55
術後の経過観察時に開鼻声の発現に注意するのはどれか。2つ選べ。
a 口唇裂
b 唇顎裂
c 横顔裂
d 唇顎口蓋裂
e 粘膜下口蓋裂

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107C86
口唇・口蓋裂児に生じやすいのはどれか。2つ選べ。
a 正中埋伏過剰歯
b 上顎中切歯の捻転
c 上顎側切歯の先天欠如
d 上顎両側中切歯の癒合
e 上顎第一小臼歯の形成不全

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臨実問題

99D32
7歳の女児。発音がはっきりしないことを主訴として来院した。出生直後からミルクの鼻漏れがあったという。初診時の安静時口腔内写真(別冊No.00A)とア音発声時の口腔内写真(別冊No.00B)とを別に示す。

適切な処置はどれか。
a 瘻孔閉鎖術
b 口蓋形成術
c 咽頭弁形成術
d 顎裂部骨移植術
e 扁桃切除術

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101D10
2週の新生児。哺乳障害を主訴として来院した。初診時の顔貌写真(別冊No.00)を別に示す。

まず行う処置はどれか。
a 口唇形成術
b 口蓋形成術
c Hotz床の製作
d 鼻口腔瘻閉鎖術
e スピーチエイドの製作

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103B40
5歳の男児。定期健診のため来院した。唇顎口蓋裂のため生後4か月時に口唇形成術、1歳8か月時に口蓋形成術を行ったという。初診時の口腔内写真(別冊No.00A)と装置の写真(別冊No.00B)とを別に示す。


装置の目的はどれか。1つ選べ。
a 鼻腔漏出の防止
b 歯列弓の側方拡大
c 咽頭破裂音の改善
d 鼻咽腔閉鎖不全の改善
e 永久歯萌出スペースの確保

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104A39
口腔内写真(別冊No.00)を別に示す。

適切な検査はどれか。2つ選べ。
a Saxonテスト
b ブローイング検査
c 静的パラトグラフィ
d Waters法エックス線撮影
e 軟口蓋造影側方頭部エックス線規格撮影

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104D21
生後1か月の乳児。哺乳障害と審美障害とを主訴として来院した。初診時の顔貌写真(別冊No.00)を別に示す。

母親に対する説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
a 「発生率は5,000人に1人です」
b 「遺伝要因と環境要因とが影響して発生すると言われています」
c 「口唇裂の手術は体重が6kgのころに行います」
d 「生後1歳ころから口蓋床を使います」
e 「口蓋裂の手術は3歳ころに行います」

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105B36
15歳の男子。発音の不明瞭を主訴として来院した。1歳時に口蓋裂の手術を受けたという。口腔内写真(別冊No.00A)とエックス線写真(別冊No.00B、C)とを別に示す。

エックス線写真で注目すべきなのはどれか。1つ選べ。
a 舌 骨
b 舌 根
c 下顎頭
d 軟口蓋
e 喉頭蓋

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106D46
3歳の男児。発音の不明瞭を主訴として来院した。鼻咽腔閉鎖機能不全を認める。初診時の口腔内写真(別冊No.00)を別に示す。

この疾患の特徴はどれか。2つ選べ。
a 後鼻孔の閉鎖
b 上唇小帯の異常
c 口蓋ヒダの消失
d 軟口蓋の透過帯
e 後鼻棘部の骨欠損

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108B14
生後1日の新生児。全身状態には問題がないという。初診時の口腔内写真(別冊No.00)を別に示す。

哺乳障害に対してまず行うべき処置はどれか。1つ選べ。
a 骨移植術
b 口唇形成術
c 口蓋形成術
d 胃瘻の造設
e Hotz床の装着

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109D6
6歳の女児。生後3か月で口唇形成術を施行した。顔貌写真(別冊No.00A)と口唇形成術の術式の模式図(別冊No.00B)を別に示す。

本症例の術式はどれか。1つ選べ。
a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ

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110A117
2か月の乳児の顔貌写真(別冊No.00)を別に示す。

患児が受ける最初の手術で行われるのはどれか。1つ選べ。
a 舌弁の移植
b 自家骨の移植
c 口輪筋の再構成
d 上顎の前方移動
e 口蓋帆挙筋の再構成

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110B29
8歳の男児。左側唇顎口蓋裂で生後すぐに口唇形成術と口蓋形成術を受けた。今回自家骨の移植手術を行うこととなった。術中の写真(別冊No.00)を別に示す。

手術の目的はどれか。2つ選べ。
a 外鼻を高くする。
b 鼻腔を広くする。
c 鼻咽腔を狭くする。
d 上顎骨を連続させる。
e 顎裂部に歯を誘導する。

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110C37
3歳の男児。食事がしづらいことを主訴として来院した。初診時の口腔内写真(別冊No.00)を別に示す。

この異常に関与するのはどれか。1つ選べ。
a 球状突起
b 口蓋突起
c 上顎突起
d 外側鼻突起
e 内側鼻突起

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2 件のコメント

  • すみません。
    突然の質問失礼いたします。
    軟口蓋瘻孔と鼻口腔瘻の違いがわかりません。
    よろしければ教えて頂けませんでしょうか。
    ご検討よろしくお願い致します

    • ご質問ありがとうございます。
      瘻孔とは端的にお伝えしますと、「交通する穴」になります。
      その穴が鼻腔と口腔に通ずる穴(鼻口腔瘻)なのか、軟口蓋に生じている穴(軟口蓋瘻孔)なのかになると思います。
      Googleで軟口蓋の画像を検索していただくと、軟口蓋が鼻腔とつながるというよりは咽頭部にただぶら下がっているだけということが確認できるかと思います。なので、軟口蓋に穴があいても、「鼻軟口蓋瘻」とはいわずに、ただ単に軟口蓋に穴があいているだけなので「軟口蓋瘻」と表現するのではないでしょうか。さらに、確証を高めたい際は、鼻腔の定義をご確認されていもいいかもしれません。そうすると、軟口蓋に穴が空いた際に、交通する箇所は鼻腔でないこともわかっていただけるかと思います。強いいて言うなら鼻咽腔とかでしょか。
      話し手によっては包括して軟口蓋瘻孔を鼻口腔瘻とまとめて話す方もいらっしゃるかもしれません。
      なので、参考までにこの返信を確認していただければと思います。
      また、返信に画像が載せられないことを何卒ご了承くだされば幸いです。

      急に気温が下がってきた時期かと思います。
      厳寒の折、風邪など召されませんようにご自愛ください。

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