発育の概論:定義・発育の5原則・発育区分【成長発育】(2020年6月21日更新)



発育の概論

今回の内容は発育の概論です。

ここの範囲の内容は発育区分の捉え方が大事です。

たとえば、つかまり立ちができる時期は?それは、乳児期!

他にも、情動の分化が完了する時期は?答えは学童期!などなど。

発育の概論自体は難しくないので、ちょっと応用を活かした内容が卒業試験や模試などでは出題されるかもというイメージが大事かと思います。

記事自体はサラッと読んで次へ向かいましょう。

参考となる過去問はこちらから▼

成長発育:発育の概論

成長発育:発育の概論(計6問)【歯科医師国家試験】(2023年2月7日更新)

07/02/2023

成長・発達・発育の定義

成長・発達・発育の定義

小児の最大の特徴はその変化にあります。

胎児として発生してから大人に至るまで、さまざまな分化を続けその様子を変えていきます。

そして、その過程を「成長」や「発達」、「発育」といった言葉を用いてよんでいます。

まずは、その言葉の違いを確認していただければと思います。

実は、教科書の目次等を確認してみるとしっかり使い分けられたりします。

成長

形態的な量の増加のこと。

身長や体重の変化に対して成長という言葉を用いたりします。

「〇〇ちゃんは急に身長が伸びたね〜」といった親戚のおじさんが言いそうな言葉は、まさに成長のことを指しています。

発達

機能的な分化のこと。

言葉や運動、情動といった変化に対して発達という言葉を用いたりします。

いきなり指さして「パパ、ママ」と言葉を発したり、突然、一人立ちするなど、見た目はそこまで変わらないけど、内面が変化している様子が発達にあたります。

発育

発育は成長や発達を含めた概念に対して用いられる言葉です。

歩こうとする神経系が発達しても、肉体的な成長がなければ、歩くということを身につけるのもままならないと思います。

このように、小児が大人になる過程では、成長や発達という言葉を用いて完全に区分することができません。

相互に関連しながら大人へと向かっていくため、成長・発達の意味合いを包括した発育という言葉をよく用います。

本ブログでも使用している「成長発育」という言葉はこれらの定義からしたら矛盾している組み合わせです。

しかし、慣習的に成長発育という言い回しが用いられていることもあるため、一般的にイメージしやすいように採用しています。

これらのことを踏まえて、教科書の目次も一度見直してみてください

身長や体重の内容は、成長という言葉を用いたり、情動や言語の分化に関しては発達という言葉を採用されているかと思います。

発育の原則

発育の原則

発育には一定の原則があります。

この原則から離れれば、障害や疾患の発見にもつながることも多く、とても重要な概念と考えられます。

代表的なものとしては5つに分けれられますが、教わった場所や人によっては発育原則の数は上限しますのんで、あまり気にされなくても大丈夫だと思います。

卒業・進級試験のためには、大学の講義資料をご参照ください。

下の表記に加えて相関性(心身が相関し合って発育)や周期性(身長が伸びては体重が増えてなど周期的にあらわれる)などがあります。 

発育順序

発育は一定の順序で進行します。例えば、ヨチヨチから一人歩きなど。

これらの成長過程が逆に発現することはないです。

発育速度

Scammonの臓器発育曲線をみてもわかるように発育速度は異なります

異速性などといった言葉で呼ばれもします。

脳の発育は幼児期ではほぼ完成し、身長などは思春期に急激に伸びたりなど。

方向性

発育には中心部から末梢部へなど一定の方向性がみられます。

たとえば、物を掴むというような粗大運動から指先でのペン回しができるなど。

他にも頭部に近いところから発育が進むなど。

個体差

発育が進むと個体差が明確になります。

痩せている人もいれば肥満な人がいるなど、成人に近づけば近づくほど、その違いは大きくあらわれてきます。

臨界期(クリティカルピリオド)

発育には決定的な時期があります。

例えば、言語習得時期や乳歯外傷による永久歯胚の形成の影響など。

なにかを学習し習得する際は、決定的に外してはいけない時期があるというイメージです。

発育区分

発育区分

母子保健法でも言葉の定義が出てくる発育区分。

発育区分に加えて、代表的な特徴を覚えておくことが重要かと思います。

出生前期

出生前期は胎児が母親のお腹のなかから産まれるまでです。

時期は細胞期(0〜14日)胎芽期(14日〜9週)胎児期(9週〜出生)に分けられます。

特に胎芽期は臓器を形成する時期で、歯や舌、口蓋などが形成されてきます。

催奇形性

胎芽期は臓器を形成する時期です。そのため、臓器が形成されているときに、薬剤やエックス線、ウイルス感染などの影響があると、奇形という特徴で産まれる危険性が高くなります。それら、妊娠中に奇形を生じさせる性質のものを特に催奇形性といいます。

新生児期

出生〜生後4週の時期。

母親のお腹から出てきて、外界に慣れる時期です。一時的体重減少や生理的黄疸が特徴です。

乳児期

生後1年未満の時期。

身長・体重の増加や中乳切歯の萌出、哺乳・離乳が特徴的です。

幼児期

生後1〜6年の時期。

歩行開始や言語の発達、自我の芽生えがみられます。

学童期

生後6〜12年の時期。

就学、永久歯の萌出がみられます。

思春期

生後12〜18年または20年。

第二次性徴が特徴的です。

まとめ

発育区分

というわけで、発育の原則も大事ですが、あらためて発育の区分をしっかり意識してくださればと思います。

さらっと過去問を解いていただければと思います〜。

参考となる過去問はこちらから▼

成長発育:発育の概論

成長発育:発育の概論(計6問)【歯科医師国家試験】(2023年2月7日更新)

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