
実体顕微鏡
現在では、実体顕微鏡の使用により直視に近い形で行うことが可能になった。顕微鏡を応用した歯内治療を特徴づけるものとしては、①拡大 ②照明 ③記録である。
また、拡大率は3~20倍程度で、切開や縫合、歯根尖切除、逆根管充塡、穿孔部の充塡などの処置に対しては、3~10倍程度の低倍率のほうが焦点範囲が広く操作しやすく、破折線や破折ファイル、根管口の確認には10~20倍の高倍率が使用される。
適応症
適応には以下のようなものがある。
① 歯髄への処置
② 根管口の探索
③ 上顎第一大臼歯近心頬側第二根管(MB2)の探索など
④ 根管壁の亀裂や破折線の確認
⑤ 根管内異物除去
⑥ 穿孔部封鎖
⑦ 外科的歯内治療
歯髄へのアプローチ
ミニマルインターベンション(MI) の概念では必要最小限の歯質の切削が求められる。顕微鏡拡大下では、齲蝕の範囲や軟化象牙質の境界を明視野にし、精密な処置が可能となる。
根管へのアプローチ
顕微鏡の使用は、根管口の探索や封鎖された根管の処置を推測ではなく、確認して処置を行うことができる。髄室深部まで強力な照明を当て、観察することができるので過切削の予防ができる。また、色の多少の違いや石灰化のパターンが明らかになれば、閉鎖・狭窄根管系の探索に大きな手掛かりを見つけることができる。
たとえば、上顎大臼歯の近心頬側根管における第2根管(MB2) に対して正確な部位の確定や、超音波チップを用いた精密な切削など安全に根管の拡大処置が可能である。
偶発症に対するアプローチ
顕微鏡を用いた穿孔部の処置は、直視下で進められるため、 より確実に行うことが可能となっている。
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