硬質レジン前装冠(2020年1月24日更新)【クラウン・ブリッジ学】



硬質レジン前装鋳造冠

硬質レジン前装鋳造冠

鋳造金属のコーピング上にレジンを重合した前装冠の一つ。レジンと金属の結合のため、コーピングに維持装置を付与したり、金属接着プライマーを塗布する。

特 徴

天然歯と同様の色調を備えた支台装置として高い頻度で利用されている。また、生活歯や失活歯、また単独冠としてもブリッジの支台装置としても使用できる。製作の際は、陶材焼付鋳造冠と比較して高価な設備は必要なく、簡便である。

しかし、レジンは陶材と比べ強度や化学的安定性が劣り、長期的な経過において変色や摩
耗がみられる。近年はフィラーを多量に含む新しいタイプのハイブリッド型コンポジットレジンが開発され、陶材焼付冠と同様に前歯切縁や咬合面もレジンで製作できるようになった。

適応症

基本的には陶材焼付鋳造冠と同様。加えてレジンが陶材よりもたわみに対して耐久性のあることを利用し、コーヌステレスコープ外冠の前装部やロングスパンブリッジの前装部が適応になる。

審美性の要求される部位

上下顎前歯をはじめ口腔内のすべての部位に適応症可能。しかし、ブラキシズムのある症例や最後臼歯への使用には注意が必要。

審美性が要求されるブリッジの支台装置

全顎にわたって大きなブリッジであっても安定している。

オールセラミッククラウンの禁忌症例

過蓋咬合や切端咬合、強度のブラキシズムなどで局所的に応力が集中する症例では、オー
ルセラミッククラウンが破折する可能性が高いため、こういった症例でも適応症可能である。

辺縁形態

・唇側: ヘビー(ディープ)シャンファーまたはショルダー

・舌側:ナイフエッジまたはシャンファー



コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください