歯科用エックス線撮影装置(2020年3月9日更新)【歯科放射線学】



歯科用エックス線撮影装置は診療室に設置され、ヘッド・アーム・操作パネルから構成される。学習するうえで必要となる項目を下記に示す。

エックス線管

エックス線を発生させる。歯科用エックス線装置の管電圧は通常60 ~ 70 kVで、エックス線管のガラスは、発生したエックス線が外に出る必要があるため、鉛ガラスではない。

ろ過板(フィルター)

皮膚で吸収され画像形成に寄与しないような低エネルギーのエックス線を除去する。ろ過には「固有ろ過」と「付加ろ過」があり、それらを合わせて総ろ過とよぶ。

固有ろ過

エックス線装置自体でろ過される部分。具体的にはエックス線管(ガラス)とエックス線管周囲を浸している絶縁油(冷却油)である。

付加ろ過

身体に害のある波長の長い低エネルギーのエックス線を積極的に取り除くために取り付けられたろ過。具体的にはアルミニウムのろ過板(フィルター)である。

医療法施行規則

口内法用の装置では、管電圧70 kV以下の装置で総ろ過1.5 mmAl以上、70 kV を超える装置で総ろ過2.5 mmAl以上でなければならないと定められている。

絞り(コリメーター)

通常のエックス線撮影では、エックス線は焦点から広がっていくので、フイルム面でちょうどよい大きさの円ないしは四角形になるように絞り(コリメータ)で調整されている。そのため焦点からフイルム面までの全体のエックス線の形状は円錐ないしは四角錐となる。

医療法施行規則

照射筒の端における照射野の直径は6cm 以下でなければならないと定められている。

照射筒(コーン)

焦点・皮膚間距離を保つもの。ショートコーン(20cm)とロングコーン(30~ 40cm)がある。また、ロングコーンの使用することによって、拡大率は小さくなり、照射時間は長く被曝線量は少なく、鮮鋭度は向上する。

医療法施行規則

管電圧70 kV以下の装置では15 cm以上、70 kV を超える装置では20 cm以上でなければならないと定められている。

タイマー

照射スイッチを押している間だけエックス線が照射されるというデッドマン式タイマーを用いる。



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