
放射線治療
放射線治療は外部照射法と密封小線源治療法(組織内照射法、腔内照射法、モールド法による照射)に大きく分けられる。
外部照射法は大型の放射線治療用装置を用い患者の外部から放射線を照射し、密封小線源治療法は小さな放射性同位元素(密封小線源とよぶ)を使用する。
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外部照射
顎口腔領域の悪性腫瘍では密封小線源治療のほかにも外部照射が行われることもある。外部照射は体外から放射線を照射する方法であり、いくつかの種類がある。
エックス線外部照射
診断用エックス線よりも高エネルギーのエックス線を照射。装置は直線加速器(リニアック、ライナック)を用いる。電子線と比較して深部病変に適している。
高エネルギー放射線外部照射
直線加速器(リニアック、ライナック)を用いて電子線を発生させ照射を行う。エックス線と比較して表在性病変に適している。また、ガンマ線を用いた外部照射としてはテレコバルト装置(60Co由来のガンマ線を使った装置)を使用する方法もある。
高LET 放射線外部照射
頻度は低いが中性子線、陽子線、重粒子線などを用いた放射線治療が行われる。
密封小線源治療
体内に投与された放射性同位元素が放出する放射線(おもにガンマ線)により癌の治療を行う方法。
組織内照射
密封小線源を組織内に埋め込んで照射する。とくに舌癌は組織内照射法のよい適応症例であり、初期の癌であれば根治的に放射線治療がなされることも多い。 適応は、舌癌、口唇癌、頰粘膜癌、口底癌など。
・大きい舌癌:137Cs セシウム(半減期が長いので治療後に除去)
・小さい舌癌:192Ir イリジウム(半減期が長いので治療後に除去)
・口底癌:198Au 金(半減期は3 日なので治療後も留置)
腔内照射
生体の腔内に密封小線源を入れて照射する。上顎癌、上顎洞癌が適応。
密着(モールド)照射
口腔領域では義歯などを利用しこれに密封小線源を入れて装着し放射線照射を行う。硬口蓋や軟口蓋などに発生した比較的表在性の癌に対して用いられる。
ステージⅠ〜Ⅱの適応が一般的である(根治的放射線治療)。リンパ節転移のあるステージⅢでは手術が第一選択だが、ステージⅣでは症状緩和目的で行われることがある(姑息的放射線治療)。
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