効率のよいおすすめの勉強法!? 〜 インターリーブ法 〜



予備校講師として学生さんから相談を受けていると、卒業試験へ向けて勉強してたときに、自分が感じてたことを思い出します。

なんであの人は、ちょっとしか勉強してないのに、成績がいいんだろう」

「何度も反復しているのに、なんで成績が真ん中を超えることがないんだろう」っと

そして、単純に頭の良し悪しで結論づけます。

しかし、実は「勉強の技術」による差だけだったかもしれません。

今回は、そんな悩みをほんの少しばかり解消するための方法「インターリーブ法」についてご紹介します。研究自体は昔からあるのですが、近年注目されている科学的な勉強法です。

うまく自分なりに取り入れて快適な学習ライフが送れることを切に願っています。

インターリーブ法とは

「インターリーブ法」とは、何か学習する途中に、関連性はあるけれど違うものを挟むという方法です。

たとえば、英語の学習ならリスニングだけでなく、リーディングやライティングも一緒に勉強したり、テニスであれば、サーブだけではなく、ストロークやスマッシュなど幅広い技能を交ぜて練習するということです。

むかしから、なにかを習得するには一つのことを何度も反復してから次のステップへ向かうというのが通例でした。

しかし、さまざまな研究から同じことを何度も繰り返すよりも、ランダムに練習を組み入れたほうが大きな効果があることがわかってきました。

研究1 〜お手玉の実験から始まった〜

1978年にオタワ大学で、運動力学の専門家が練習の仕方を変えると、スキル習得にどのような影響があるかの実験を行いました。

実験内容

スキルの獲得というのはお手玉を的に当てるというものです。

36人の子どもたちを被験者として、2つのグループに分けました。

1つ目のグループは1メートル先の的にお手玉を当てる。

2つ目のグールプは60cmと120cm先の的にお手玉を当てる。

そして、実技テストでは1メートル先の的に当てるというものです。

実験結果

結果は意外にも、2つ目のグループの方が良い成績をおさめました。

実技テストと同じ内容を練習したほうが成績が良さそうですが、実際は違ったのです。

同じことを繰り返した方が上達すると思っている私たちには衝撃です。

研究2 〜 数学の理解を深める!? 〜

インターリーブに関する実験は運動スキルの取得だけではなく、学習効果についても調べられました。

時代は2007年に移ります。

実験内容

サウスフロリダ大学の研究者が数学に関する実験を行いました。

実験は小学生を対象に、角柱の辺、面、角、角度の数を求める方法を教え、2つのグループに分けます。

1つ目のグループは「辺の数を求める問題を8題」→休憩→「面の数を求める問題を8題」→休憩・・・と順番に問題を解いていきます。

2つ目のグループは「角度、面、角、辺の数を求める問題を8題」→休憩→「面、角度、角、辺の数を求める問題を8題」と4種類の問題をランダムに解きます。

どちらもグループも練習する問題の題数や休憩の回数は同じです。

そして、翌日、「角度、面、角、辺の数」の問題を1問ずつテストをしました。

実験結果

ランダムに練習したグループが77%の正解率。もう一方のグループが38%の正解率でした。

運動スキルだけでなく、学習に関する内容もインターリーブが勝ったのです。

他の研究でも、同様の結果が認められました。

インターリーブ法の注意点

万能な「インターリーブ法」ですが、あまり解明されていない部分もあるので注意点を少しだけ。

マルチタスクになるような異なることは避ける

全く異なる内容を組み込むことは避けた方がいいかもしれません。

たとえば、数学の方程式を勉強しているのに途中から平泳ぎの練習など。(気分展開にはなるかもしれませんが。)

勉強している内容の違いがわかることが大事です。

教科書で疾患の特徴を勉強してたら、次は病理像だけをみて判別できるように練習するなど。

初学習は避ける

「インターリーブ法」はある程度の馴染みがあるものに対して応用するのがいいかもしれまん。

もし、スワヒリ語を学ぶとしてたら、文字の書き方などはある程度集中して同じ反復が必要だからです。

とはいえ、歯学生の方は歯学に6年間も触れているの気にしなくいいかと思います。

心理的抵抗を感じる

この「インターリーブ法」は学習する側に抵抗を感じさるという点が一番困るところかもしれません。

研究したときのアンケート調査でも、効果があると感じた学生はほとんどいなかったみたいです。

一つのことを集中して勉強した方が、勉強した感を得られますもんね。

まとめ

学習を獲得するときの方法として「インターリーブ法」を紹介してきましが、変化や違いといったものが脳への刺激としていいようです。

国試対策に合わせて

最後に、この「インターリーブ法」を卒業試験や国試対策に合わせて考えてみたいです。

・とりあえず、一つの科目をずっと勉強して沼にはまらない

・全部床と部分床といったように内容が若干似ているものがいい。咬合採得の違いがより明白にわかるかもしれません。他にも解剖学と生理学なんか似てますよね。

インプットだけで終わらない。小テストや口頭試問などのアウトプットを行う。これが違う種類の練習の組み合わせです。

・心理的な不安に陥らないように小テストで結果を確認する

体験談

ちなみに、自分は学生のときに40分ぐらいに区切っていろいろな科目を勉強してました。国試直前期だったので、極度の集中力なのかインターリーブ法なのか定かではありませんが。

追記:以前、プログラミング学習と絵画の判別をインターリーブ法を取り入れてやったことがありましたが、疲れるだけでした。別次元の内容を組み合わせて練習するのはやはりおすすめしませんね…。笑

実感することは難しいと思いますので、必ず客観的な指標を取り入れたほうがベストだと思います。

せひ、ご自身なりにアレンジを加えながら実践してみてください。



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