鎖骨頭蓋骨異形成症(鎖骨頭蓋異骨症)【口腔外科学】(2019年12月8日更新)



鎖骨の形成不全、頭蓋骨の骨化遅延、歯の萌出遅延を主徴とする先天異常。

参考となる過去問はこちら

原 因

・常染色体優性遺伝(ごくまれに劣性もある)

・鎖骨の骨形成と分化の機能にかかわるRUNX2の突然変異とされている。

症 状

全身所見

・鎖骨の片側または両側性の欠損や形成不全

・短い肋骨

・頭蓋縫合や大泉門の閉鎖遅延

・短頭型

・手根骨の化骨の遅延

・知能は一般的で、日常生活での支障はなし。

口腔所見

・中顔面の発育不全

・永久歯の形成不全

・高口蓋、口蓋裂を伴う場合がある

覚えるポイント

・乳歯の晩期残存

・永久歯の萌出遅延・多数歯埋伏

・多数の過剰歯

治 療

国家試験レベルでは治療はまだ踏み込まなくてもよいかと思います。

・乳歯の晩期残存、永久歯の萌出遅延に関してはエックス線による定期検査とともに補綴治療なども考える。

・埋伏歯に関しては開窓術などを行うこともある。

・必要に応じて上下顎の顎矯正手術を行う。

ポイント

鎖骨頭蓋異骨症は永久歯の萌出が弱いです。

したがって乳歯の晩期残存を抜歯しても永久歯は萌出してこないということ。

状況によって、牽引と義歯を併用ということになります。



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