急性・慢性下顎骨骨髄炎(2019年11月22日更新)【口腔外科学】



▼参考となる過去問はこちら▼

病態

下顎骨骨髄の化膿性炎。原因のほとんどが細菌感染など

症状

・全身症状:急性期で高熱、悪寒など

・局所症状:原因歯の強い自発痛や発赤・腫脹など

4つのステージ

第1期:原因歯の自発痛、顎下リンパ節腫脹、圧痛など

第2期:原因歯の自発痛、開口障害、弓倉症状、Vincent症状、顎下リンパ腫脹など

第3期: 腐骨形成、排膿など

第4期: 排膿、瘻孔形成、腐骨分離など

第2期の症状が最も強い

※第3期、第4期は病理学的には慢性炎症の症状。しかし、急性骨髄炎が慢性のステージに入った状態である。

検査所見

画像所見

・パノラマエックス線およびCTでは骨吸収や破壊像。

・腐骨分離。

・MRI:T1強調像で低信号、T2強調像で高信号

・慢性骨髄炎ではよく玉ねぎの皮状の骨膜反応像。

臨床検査所見

一般的な炎症所見。

・白血球増加

・核の左方移動

・CRP陽性

・赤沈亢進

治療

・急性、慢性いずれも抗菌薬や抗炎症薬の投与。

急性下顎骨骨髄炎

第1期:安静および輸液・栄養補給や冷篭法

第2期:骨開窓、骨髄穿孔による排膿、冷審法

第3期:保存不可能な場合は原因歯の抜去 、皮質骨除去術、皿状形成術、腐骨除去術

第4期:第3期と同様。病変の程度によっては下顎骨辺縁切除や区域切除術

・慢性下顎骨骨髄炎:急性下顎骨髄炎の第3、4期と同様。

・高圧酸素療法は有用性が疑問視されている部分もある。

▼参考となる過去問はこちら▼



コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください