根管形成(2020年1月9日更新)【歯内療法学】



根管形成

根管形成

根管形成とは機械的方法により根管内容物の除去と根管壁の切削を行う操作のこと。根管の機械的消掃と根管洗浄や根管充填を行うための根管形態の付与という2つの意味がある。

根管の機械的清掃

目 的

根管内に存在するさまざまな内容物(歯髄壊死組織細菌とその産生物など)や感染した根管壁を機械的に切削・除去するのが目的。

機械的清掃の終了基準

① 切削器具の根管壁への食い込みによる抵抗感。最初に抵抗を感じたサイズから2〜3サイズ拡大する。

② 切削器具先端への白い象牙質削片の付着

③ 根管洗浄液が汚れていない

以上のような基準が清掃完了の指標としてしばしば用いられている。

根管形態の付与

目 的

緊密な根管充填を行うため。

根管形態の要件

① テ ーパーを有する外開きの形態

根管口に向かうに従いしだいに大きくなる。これにより根管充填が容易となる。

② 形成後の根管形態が術前の根管形懇のすぺてを含んでいる

未切削部が残存しないことの意味

③ 術前の根管形態におおむね相似している。

術前の根管形態から逸脱した形態になっていないことの意味。根管の彎曲が維持されつつ拡大されているなど。

④ 根尖狭窄部が保存されている

根尖部の過剰な拡大は、緊密な根管充填を困難とする。歯周組織への刺激なども考慮する。

⑤ 根尖部まで穿通性が確保されている

根管全長にわたって、器具操作が可能であることを意味する

⑥ 根管充填材の溢出に対する抵抗形態があること

狭窄部を頂点とするアピカルシートもしくはアピカルストップが付与されている。

⑦ 根管充填が可能な太さが与えられていること

根管充填を行いやすくするため。根管スプレッダーが根尖から約2mm以内まで挿入可能であることが目安。



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