
病態
下顎管内の血流の循環障害によって静脈瘤が生じ、嚢胞様となったもの。裏装上皮をもたない偽嚢胞である。
症状
・発育緩慢で初期は無症状。
・増大とともに疼痛がみられることがある。
・顎骨の頰舌的膨隆や歯の動揺、歯根吸収がみられる。
・先行病変として巨細胞肉芽腫や中心性線維腫を合併する。
好発年齢・好発部位
・10歳代の女性に多い。
・下顎臼歯部に好発する。
検査所見
試験穿刺
・穿刺により血液を吸引する。→嚢胞腔内部は血液が充満
病理組織所見
・上皮の裏装を欠く偽嚢胞で、線維性結合組織に覆われている。
・線維性結合組織中に多核の巨細胞が含まれる。
・空洞辺縁の骨組織には多量の類骨がみられることもある。
画像所見
・エックス線写真:単胞性類円形透過像が多い。
(多胞性蜂巣状透過像や石けん泡状の境界明瞭な透過像がみられることがある。)
治療
・顎骨切除。
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