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病 態
・胎生期における鼻口蓋菅の遺残上皮に由来する嚢胞。厳密には、嚢胞が生じる場所により鼻口蓋管嚢胞(切歯管嚢胞)と口蓋乳頭嚢胞の2つに分けられる。
・鼻口蓋管嚢胞(切歯管嚢胞):口蓋骨の内、切歯管部に生じる嚢胞。
・口蓋乳頭嚢胞:嚢胞が口腔側に近い口蓋の粘膜下に生じる嚢胞。
症 状
・発育緩慢で初期は無症状。
・増大とともに硬口蓋正中に違和感が生じる。
・口蓋正中部に好発し、直径1 cm程度の膨隆をきたす。
性差・好発年齢
・非歯原性顎骨嚢胞の中で最も多い。
・30~50代の男性
検査所見
病理組織所見
・口腔に近いものでは、非角化性重曹扁平上皮や単層扁平上皮がみられ、鼻腔に近いものは杯細胞を含む線毛円柱上皮に裏装されている。
・嚢胞壁周囲は線維性結合組織に覆われている。
画像所見
・左右中切歯間に円形ないしハート形の透過像がみられる。
・ハート形にみえるのは前鼻棘が嚢胞と重なるためである。
・口蓋乳頭嚢胞の場合は、造影剤を併用するか、MRI による診断が行われる。
鑑別
歯に異常はなく、歯髄は生活している。歯根嚢胞との鑑別に参考になる。
治 療
・嚢胞の摘出または必要に応じて予後良好。
・前歯の歯根が嚢胞内に含まれるときは、嚢胞摘出術に加えて根尖切除が必要となることが多い。
・必要に応じて開窓を行うこともある。
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