【口腔外科学】鼻口蓋菅嚢胞(切歯管嚢胞・口蓋乳頭嚢胞)



鼻口蓋管嚢胞

▼参考となる過去問はこちら▼

術後性上顎嚢胞・鼻口蓋管嚢胞

【歯科医師国家試験】術後性上顎嚢胞・鼻口蓋管嚢胞(計8問)【2019年10月10日更新】

09/09/2019

病 態

・胎生期における鼻口蓋菅の遺残上皮に由来する嚢胞。厳密には、嚢胞が生じる場所により鼻口蓋管嚢胞(切歯管嚢胞)と口蓋乳頭嚢胞の2つに分けられる。

・鼻口蓋管嚢胞(切歯管嚢胞):口蓋骨の内、切歯管部に生じる嚢胞。

・口蓋乳頭嚢胞:嚢胞が口腔側に近い口蓋の粘膜下に生じる嚢胞。

症 状

・発育緩慢で初期は無症状。

・増大とともに硬口蓋正中に違和感が生じる。

・口蓋正中部に好発し、直径1 cm程度の膨隆をきたす。

性差・好発年齢

・非歯原性顎骨嚢胞の中で最も多い。

・30~50代の男性

検査所見

病理組織所見

・口腔に近いものでは、非角化性重曹扁平上皮や単層扁平上皮がみられ、鼻腔に近いものは杯細胞を含む線毛円柱上皮に裏装されている。

・嚢胞壁周囲は線維性結合組織に覆われている。

画像所見

・左右中切歯間に円形ないしハート形の透過像がみられる。

・ハート形にみえるのは前鼻棘が嚢胞と重なるためである。

・口蓋乳頭嚢胞の場合は、造影剤を併用するか、MRI による診断が行われる。

鑑別

歯に異常はなく、歯髄は生活している。歯根嚢胞との鑑別に参考になる。

治 療

・嚢胞の摘出または必要に応じて予後良好。

・前歯の歯根が嚢胞内に含まれるときは、嚢胞摘出術に加えて根尖切除が必要となることが多い。

・必要に応じて開窓を行うこともある。

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