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病態
胎生期の鰻裂上皮や唾液腺組織のリンパ節への迷入に由来する先天性嚢胞。
症状
・胸鎖乳突筋前縁に境界明瞭のウズラ卵~鶏卵大の大きさ。
・無痛性で弾性軟の腫瘤。
・波動を触知することもある。
鑑別ポイント
・正中頸部や顎骨内には発生しない。甲状舌管嚢胞との鑑別点としても使える。
性差・好発年齢
•10〜30代の男性に多いとされている。
検査所見
試験穿刺
・ 嚢胞腔の内容液は、淡黄色の漿液性あるいは粘液性の液体。
病理組織所見
・薄い重層扁平上皮に裏装されることが多い。
(一部、多列円柱上皮や立方上皮がみられる)
・嚢胞の中には、線維性結合組織と共に、胚中心(濾胞形成)を形成したリンパ組織がみられる。
※同様の組織構築が軟口蓋などにも生じることもある。
画像所見
・T2強調MRIで高信号像(液体の貯留)。
・超音波エコーで内部やや不均ー、後方エコーは増強。
病態は軟組織内に発生するため、通常のエックス線で描出することはできない。
治療
・嚢胞摘出術で予後良好。
→摘出後の再発はない
注意
・放置すると嚢胞に由来する鰓原性癌を発生する可能性がある。
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